[経営改善]

経営改善は具体的には、
前回お伝えした3つの視点のうち
「経営の見える化」、「財務の見える化」
で明らかになった課題を改善、磨き上げていく作業になります。

「経営の見える化による改善」
自社の強み、弱みを認識したうえでの課題を改善します。
例えば、受注生産が多くのウェイトを占める生産体制であれば、
小ロットでしか生産できないという点は、弱みですが、
得意先の要望に応じて、内容や数量を臨機応変に対応できるのは、
大企業にはない強みでもあります。
この強みをどういかしていくかを後継者とともに考えます。

「財務の見える化による改善」
財務の改善については、後継者が事業を継続するためにも大事ですが、
「事業を承継する段階」で資金調達が必要な場合もあります。
その際金融機関からの融資を有利に進める上でも、
早期に着手することが重要になります。

具体的には、
『流動比率の向上』、『経常利益の向上』、『自己資本比率の向上』
の3つがポイントになります。

『流動比率の向上』
できるだけ流動資産の比率を上げることに注力します。
特に現預金の比率を上げるために、棚卸資産を見直し、
滞留在庫の処分や、売掛金の回収状況を点検し、
資金が寝ている状況を改善します。

『経常利益の向上』
販売管理費の区分で計上している貸倒損失、
営業外費用の区分で計上されている固定資産除却損などのうち、
非経常的なものについては、特別損失の部で計上するようにします。
テクニック的なことですが、それによって、経常利益が改善されるので、
金融機関からの融資を想定した場合にも有利な決算書になります。

『自己資本比率の向上』
中小企業でよく見受けられる現経営者からの借入金。
この中には経費の立替払で未精算のものが放置されていることがよくあります。
これらは、勘定科目の上では「借入金勘定」ですので、
自己資本比率を悪くしています。
精算の失念などが理由で、すぐに改善できるものは、
これを期に改善しましょう。

事業承継は、現経営者から後継者へスムーズにバトンタッチするのが、
最終的な目標です。
現在がどんなに経営状況がよくても、後継者が引き継いだ後、
将来性がない事業であれば、不安なものです。
後継者や従業員が安心して業務に従事できるように、
改善できることを速やかに実行する、
これが事業承継の成功のポイントです。

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■文責 井手昭仁

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