今日のお弁当

グルメリポート-9(コロナ禍の東京で)/オスカーペティフォード

 

東京のコロナ感染者数が1日500人を超す昨今、東京に出張に行ってきました。 年老いた母と同居しており、かなり葛藤がありましたが仕事は仕事。 東京を地元に仕事をされている方に対して「コロナだから行きません。」とは言えないです。

特に今回の出張は決算の報告・翌期のビジョン、新しい事務員さんへ引継ぎの指導、等々どうしても外せませんでした。 言い訳のようになってますが、行かねばならない。 ここは信念をもって行って参りました。

月曜日にお約束しておりましたので日曜日の飛行機で行き、火曜日に帰って参りました。 コロナには随分気を遣ったつもりです。

いつもの銀座のホテルに宿泊しましたが、さすがに銀座の目抜き通りは避けて、東銀座の方を散歩。 繁華街からちょっと離れるだけで随分と雰囲気は違います。 夕食は何か買ってホテルで食べよう、と思っていたのですが、早い時間から開いている居酒屋を発見。 覗いてみると客は2組だけ。 「入れますか?」 予約帳を確認して頂き、入れました。 ホテルに帰った後ネットで調べて分かったのですが、このお店、かなりの名店。 すいていたのはお客はみなさん予約してくるからで、私達、相当ラッキーだったようです。 実際この日も予約で一杯で、私たちの後から予約なしで来店された沢山の方々は入店できませんでした。 お店ガラガラなのに(笑)。

さて写真なんですが、そんな名店とは思いもよらなかったので写真は途中から撮り始めました。 そうそう、入店した時に小さな音で流れていた曲はセロニアスモンクの「ブルーモンク」、からの「ストレートノーチェイサー」でした。 マジっすか(喜)?

まず座って最初に出されたのは、お通し代わりのウコン4粒と酢水でした。 飲む前のたしなみってことでしょうか。 忘れちゃいましたがウコンはいい品物で、酢水はサトウキビの酢。 ほんのり甘くてツンときません。 さらにだし汁少量を蕎麦猪口で、すきっ腹にお酒は良くない、ということです。 このだし汁を頂いてテンション上がりました。 なにげに入ったこの店「ただものではない!」と私の舌は言っている。 で「何をお飲みになりますか?」と聞かれました。

外は寒く、お酒を飲みたかったのですが前の方が頼んだグラスビール、見ているとスプーンで何回も何回も泡を捨てては継ぎ足し、継ぎ足しては泡を捨てで、最後の最後にクリーミーな泡を張る。 その美しさはもはや芸術の域で、つられて私も注文致しました。

すみません、頂いたら反射的に半分以上流し込んで・・。 飲みかけのビールの写真が今日のリポートのスタートです(笑)。

最初のお料理、お刺身に好物が2品ありましたのでどっちも頼みました。 手前のカツオはからしと塩で。 わたしも家でカツオにからしは時々やっています。 奥の石鯛はシークワーサーをかけて「いしる」で。 凝ってますね(笑)。

お刺身はやっぱり日本酒で。 最初のお酒は・・・ 「おっ!雁木がある!」 お酒の品揃えは尋常じゃないみたいです。 常連のお客さんでしょう、どんなのが飲みたいかお酒のリクエストをすれば、女将さんが隣の階段を駆けあがって倉庫まで取りに行かれていました。 もちろん新参者の私はそんな注文しませんよ(笑)。

わたし、この「金継ぎ」というのが大好きで、娘にもらったお茶碗も欠けてしまったので金継ぎして使ってます。 カウンター越しに「きれいな金継ぎですね。 好きなんです。」と申しましたら、その後のお酒も見事な金継ぎの器で出していただきました。

まずはお酒から貼りますね。 注文したらいちいち酒瓶を持ってきてくれます。 金継ぎの器もいい味出しています。

次はこれも1年ぶりか? 「赤武」という名前ではピンとこなかったですが、このラベルは一度見たら忘れません(笑)。 切れが良く、かつ存在感がある、素晴らしいお酒、確か岩手のお酒です。

次はたぶん初めて飲むお酒。 これも切れがいい! 覚えておきたいお酒です。

お料理が素晴らしかった。 まずはシジミの醤油漬け。 生からシジミを漬けているものと思います。 食べ方まで教わってきました。

セリの温ひたし。 大好物のセリがあったので頼みましたが、期待のはるか上! だし汁が凄い! セリの根っこからもだしは出るはずですが、全く邪魔していないです。

タラコとジャガイモのコロッケ。 連れが頼んだものです。 奥の「南光」って瓶、沖縄のコーレーグースです。 わたしこれも大好きで家に欠かしたことはありません。 てか、どこまで内角攻めてくるんだろう?

女将みずからぬか床を扱ってらっしゃるのが見えたので、注文しました。 で、お酒も追加。 当初2杯と決めていたのに・・(笑)。 ただ、本当に頼んでよかった、絶品でした。

時間はこの時点でまだ夕方5時半。 予約のお客さんが来店される前に撤収します。

はずれといえども銀座は銀座、しかもこのクオリティー。 なおかつわたしが注文したのは値段が書いていない黒板メニューばかり。 それなりの覚悟でお勘定を頼んだんですけど「えっ?ここ銀座?」っていうぐらいのお値段でした。 間違いなく名店。 ご興味のある方は「離亭 三ぶん」でご検索を。

お料理は全て少量でしたのでここからはホテル飲み(笑)。 ホテル近くの王子サーモンの専門店でおつまみを買いました。 これも凄く美味しいものばかりでした。

翌日の月曜日、1日かかりましたが仕事は無事に完了。 ホテルに帰って女房と合流。 銀座の目抜き通りには出ず、築地本願寺を目指して築地、からの月島へ散歩しました。 目的の築地本願寺はすでにタイムアウト、締まっていました(笑)。 夕食は決まってます。 昨日行ったお店の近くに見つけていたお店で昨日は休みだった中華料理屋さんです。 全く知らないお店でしたが、ここは行かなければならない!と思いました。 ホテルに帰ってネットで調べたら日本で2番目に出来た中華料理屋さんだそうです。 でも、込んでいたら潔く帰ろうと決めていました。

で、とりあえず月島まで歩いて、有名な商店街まで行きましたが、閑散としていました。 休業の店が多くてシャッター商店街みたいでした。 開いているのはもんじゃ焼きの店ばかり。 商店街から外れて歩いていると、露店形式ででたくさんのお刺身や煮つけなどのお惣菜を販売されているお店がありました。 すごく新鮮そうで量も半端ない。 買って帰ってホテルで食べたいけど行く店はすでに決まっている。 悩んだ末、露店の奥に続きである居酒屋さんに、例によって「一杯だけ飲んでいくかあ。」と入店しました。

熱燗を一杯、それとマグロ盛りの大が2千円でそれを注文しました。 2千円だし、マグロだしそんなに量はないだろう、と高をくくってましたがこの量でした。

これは予想外! 博多でもこんなに安くは食べられません。 さすがマグロの街「築地」の隣町!

商売っていうのは売る事より、仕入れる事の方がはるかに難しい。 いい商品を安く提供できればおのずと客は寄ってきます。 いい仕入ルートを構築されているんでしょう、さすが築地。

熱燗1杯ではちょっと無理。 で、もう1杯熱燗飲んでいよいよ本日の目的地へ。 どうかすいていますように?

月島から歩いて戻って、そして到着。 まずは見て下さい。 このたたずまい。 素通りできるって人がいらっしゃるなら見てみたい(笑)。

中を覗いてみると3人組のサラリーマン1組だけ。 やったー! 福助くんありがとう!

実際、福岡よりも東京の方が人はまばらです。 わたしの事務所は福岡の中心部にあるのですが、土日はむしろ東京より混雑しています。 危機感が追い付いていないのでしょうか。

さて、お酒も醒めてきたのでまずは紹興酒を1本頼みました。 安いやつね(笑)。

1品目は「ピータン豆腐」。 中華屋さんでこれがあれば100%頼みます。 でも、ここの店のは別格でしょうか。 いやいや、また名店を嗅ぎ当ててしまった(笑)。

次は餃子。 博多の一口餃子も美味しいのですが、やっぱり餃子は皮! わたしは東京餃子に軍配をあげます。 この餃子も期待どおり、てか期待以上!

次は、鶏とピーナッツの炒め物。 これは随分悩みました。 マグロで結構お腹いっぱいでしたし、まだ目的の2品に到達していない! でもつまみが無い(笑)。 味はもちろん一級品でした。

目的物の一品目。 中華そば! 女房と半分ずつ取り分けました。 懐かしい味です。 涙が出るほど旨かったあ!

目的のもう1品はこれ! 昨日ネットで知ったこの店のもう1つの看板メニュー、ポークライスです。 いわゆるケチャップライスなんですけど、いやはやこうか! 一流の料理人が作ったらこうなるのね。

紹興酒も無くなったし、さすがにお腹いっぱいでしたので、ほとんどお持ち帰りにして頂きました。

次の日、最終日の朝の遅い時間です。 ホテルにこもっていて、ちょっとお出かけ。 朝飯てかブランチの仕入れです。

今回の食事は結局はすべてこの店が始まりだったんです。 女房がテレビで見たこのお店のハムカツサンド。 ホテルからそんなに離れていない場所にあります。 営業日は週4日、火水木金曜日のみです。 それは知っていたのですが、初日の日曜日に「することがないので見に行ってみようか。」ということになりました。 銀座のはずれなのに街の雰囲気は一変。 すぐ近くに中華の「萬福」さんがありました。 日曜日でお休みでしたが、この店は絶対行くべき、というか行かなければならない(笑)と思った次第です。

で、散歩を続けてまたすぐ近くに「離亭 三ぶん」と出ったんですね。 ですからこの3件すぐ近所にあるんです。 もともと自分で、食い物屋に関しては鼻が利くなあ、の自覚はありました。 戌年ですし(笑)。 でも今回は出来過ぎですね。

写真撮らせて頂きましたので、貼っておきます。

生の食パンに練ったからしを塗る。 揚げたてのハムカツを置いてソースをかけて食パンを重ねる。 シンプルです。

お味は?というと、食パンとハムとソースとからしの味です。 いたってシンプル。 でも、じわあっとくるんですね。 舌も顎も喉も胃袋も、安心して受け入れて喜んでいる、最後は顔も笑顔になる。 昔はこんなのが当たり前にあったような気がします。 奇をてらったり複雑になって退化する、まあ退化はしないでしょうけど、ホントこういう物に触れ合う機会が減ったような気がします。 「昭和は遠くなりにけり」てか(笑)。

旅の終わりはやはり銀座7丁目ライオン。 恐る恐る入店しましたがこんな状態です。 席数も随分減らしてあるのにお客は1割程度でしょうか。 安心で良かったのは良かったんですけどやっぱり寂しい、すごく寂しかったです。

遅い時間の朝食がハムカツでしたので、おつまみはソーセージとニシンのカルパッチョの2品だけ。 ビールも2杯だけ。 30分もいなかったと思います。 早々に飛行場に向かいました。

今回の出張で感じたことは、やはりコロナ禍です。 前にも書きましたけど福岡よりむしろ東京の方が人が少ないように感じました。 特に最後の銀座ライオンなどは、多くの人の喧騒、出入り、出会いがあってこその店なんだなあ、とあらためて感じました。 みなさん頑張ってください! 頑張りましょう!

IN DENMARK(OSCAR PETTIFORD & JAN JOHANSSON)

前回に引き続き今回もレコード屋さんで出会ったCDです。 見つけたのではなく出会ったんです。 どう違うかと言うとそこには感動があるから(笑)。

しっぶ~いベーシスト、オスカーペティフォード、大好きです。 音源が少ない人なんですけどデンマークで1959年から1960年までの音源が見つかったみたいです。 全部同日録音ではなく日付を異にした音源が見つかったのでしょう、全17曲の構成メンバーは1つではなくぶつ切りです。 スタンゲッツと組んでいる曲も3曲あります。

ベーシストのリーダー作ってなかなか難しいと思います。 出している人は沢山出しているのですが、そもそも出している人が少ないように思います。

オスカーペティフォードは、まず音が凄く魅力的です、ぶっとい音のスウィング感あるウォーキングベースはめちゃくちゃかっこいいです。

いつも感動なんですが、このアルバムの1番好きな曲、ユーチューブありました。 凄いですね、ユーチューブ! ただこの曲はゲッツの方が主役張ってますね。

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