Contents 事業承継

事業承継2

中小企業の事業承継の現状

今回は前回の概要のうち、中小企業を取り巻く「事業承継の現状」についてです。

■経営者の平均引退年齢

経営者の平均引退年齢は、業種や規模にもよりますが,
平均すると67歳から70歳が多いようです。
(出典:中小企業庁委託調査「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」(2012年11月、(株)野村総合研究所)

65歳以上の経営者が全体の4割を占める現状からすると、今後5年程度で多くの中小企業が、
「事業承継」を迎えることになります。

■後継者決定の状況

日本政策金融公庫総合研究所のインターネット調査では、
60歳以上の経営者の50%が「廃業を予定している」と回答しています。

廃業する理由について最も多かった回答は
「当初から自分の代でやめようと思っていた」(38.2%)
「子どもに継ぐ意思がない」(12.8%)
「子どもがいない」(9.2%)
「適当な後継者が見つからない」(6.6%)

と、後継者が確保できないことを挙げる回答が3割近くに上っています。
(出典:日本政策金融公庫総合研究所「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」(2016年2月))

■取り組みの先送り

中小企業における事業承継の準備状況を見てみると、
既に準備できているのは、60歳代の経営者でも42.9%です。
(出典:(株)帝国データバンク「中小企業における事業承継に関するアンケート・ヒアリング調査」(2016年2月))
経営者の平均引退年齢が70歳前後であることを考えると、非常に深刻な問題です。

その先送りしている背景には、
1.日々の経営で精一杯
2.何から始めればよいかわからない
3.誰に相談すればよいかわからない
という理由があるようです。
(出典:中小企業庁 事業承継マニュアル)

事業承継には通常5年から10年程度の年月を要すると考えられます。
しかし、取り組む必要性がわかっていても、なかなか行動に移せない現状があるようです。

____________________________________________

■文責 井手昭仁

■免責
本記事の内容は、投稿時点での税法、会計基準会社法その他の法令に基づき記載しています。
また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上、実行して下さい。
本情報の利用により損害が発生することがあっても、筆者及び当事務所は一切責任を負いかねますのでご了承下さい。

-Contents, 事業承継