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平成30年分確定申告 改正点

今年も所得税の確定申告の時期が迫ってきました。平成30年分の所得税の確定申告の受付は、平成31年(2019年)2月18日(月)から同年3月15日(金)までとなっています。
そこで、今回は「平成30年分の確定申告の改正点」をまとめました。

平成29年改正で、平成30年分から適用されるもの

過去記事でも何度かご紹介しましたが、配偶者控除、配偶者特別控除が大幅に変更になっています。概要は、控除の金額が変更になったことと納税者本人の合計所得金額が 1,000 万円を超えると適用ができなくなりました。

配偶者控除

配偶者控除の控除額について、居住者の合計所得金額に応じてそれぞれ下表のようになります。また、合計所得金額が 1,000 万円を超える居住者については、配偶者控除の適用はできないこととされています。

配偶者特別控除

配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額を 38 万円超 123 万円以下(改正前:38 万円超 76 万円未満)とし、その控除額は、配偶者の合計所得金額及び居住者の合計所得金額に応じて下表のようになります
合計所得金額が 1,000 万円を超える居住者については、配偶者特別控除の適用はできないこととされています。

【配偶者控除・配偶者特別控除の速算表】

この配偶者控除、配偶者特別控除は「150万円の壁」という言葉で報じられているため、誤解を招いているケースが多いようです。以下の記事でくわしく解説しています。

平成28年改正で、平成30年分から適用されるもの

控除証明書が「電磁的記録印刷書面」でも可能に

生命保険料控除や地震保険料控除、寄附金控除を受ける場合、これまでは、保険会社や寄附先の自治体等の発行する「控除証明」の添付が必要でした。

これが、平成28年税制改正により、「電磁的記録印刷書面」でも可能となりました。

電磁的記録印刷書面とは、電子メール等で交付を受けた証明内容を印刷したものを指し、証明等の情報の内容と、その内容が記録された二次元コードの両方が印刷されているものをいいます。

その他

以下の二点は税制改正ではありませんが、平成30年分の確定申告から採用されるもので、いずれもe-taxに関連する項目で、今後の確定申告の潮流ともいえる変更点なのでとりあげています。

e-tax利用の簡便化

これまでは、e-taxを利用するためには、マイナンバーカードを取得し、事前に「e-taxの開始届出書」を提出し、ID・パスワードの受領が必要でした。

ところが、今回の確定申告からイナンバーカードを持っていなくても、税務署で税務署職員との対面による本人確認(運転免許証などの本人確認書類が必要です。)をすることで、「e-taxのID・パスワード」が発行され、その「e-taxのID・パスワード」だけで、確定申告書の送信が可能になります。

 

くわしくはこちらの記事をご覧ください。

http://kotabe-tax.jp/2018/07/31/e-tax-%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%AE%E7%B0%A1%E4%BE%BF%E5%8C%96/

e-taxがスマートフォン対応に

e-taxが平成31年1月よりスマートフォン対応になりました。上述の「ID・パスワード方式」の手続き後、スマートフォンを利用して、確定申告ができるようになり、e-taxの利用がより便利になります。

事業所得等で帳簿を完備するような申告では、不便があるかもしれませんが、簡単な還付申告の手続きなどは、今までより手軽に利用できます。

ただ、すべての機種で動作確認を行っているわけではないようなので、ご利用に際しては、お使いの端末で利用できるかなど、推奨環境等で確認することをおすすめします。

 


■文責 井手昭仁

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本記事の内容は、投稿時点での税法、会計基準会社法その他の法令に基づき記載しています。
また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
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